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■税務
国税庁が前払賃料方式の定期借地権評価で文書回答公表
日本会計グループ
税理士 吉岡和守
国税庁は、7月12日、前払賃料方式の定期借地権の相続税における財産評価の方法などを確認する事前照会の回答を公表した。 これは、国土交通省土地・水資源局土地政策課土地市場企画室長名での照会に対する回答で、国土交通省が照会した取扱いを是認する形となっている。 定期借地権の賃料の一部又は全部を前払いとして一括授受した場合における税務の取扱いについては、すでに昨年12月国土交通省から照会が出され、今年1月、国税庁が文書回答を公表し、取扱いが明らかにされていた。 具体的には、国土交通省の示した一定の書式令に準拠した定期借地権設定契約書により契約を締結し、契約書を借地契約の期間にわたり保管し、取引の実態が契約書の内容に合致するものであれば、一括授受された前払賃料は「前払費用」「前受収益」として取り扱われるというもの。借地人、土地所有者ともに、期間の経過に応じた費用・収益の計上が認められる。 借地人サイドからみれば、賃料の前払いとしての一時金を期間の経過に応じて費用化できることで、キャッシュフローが改善し、企業会計とも整合性がとれることになる。一方、地主サイドからみれば、権利金のように一時に課税されることなく、差し入れ保証金と異なり契約期間終了時の返還が不要なことから、長期間にわたり多額の債務を負うといったこともなくなる。この回答により、事業用借地権の活用、定期借地権付き住宅の供給促進など、定期借地権の利用促進につながるものと期待されていた。 しかし、昨年12月の照会では、相続税における財産評価の方法や未経過分相当額の取扱いなどが含まれておらず、専門家等から国税庁に確認を求める照会も寄せられていた。今回、改めて国土交通省からの照会に対する回答としてそれらの取扱いが明らかにされたもので、専門家等の疑義も払拭されることとなった。 まず、財産評価基本通達27−2《定期借地権等の評価》の「ただし書」で定める神戸bbな方法で評価する場合には、前払賃料の額を「定期借地権等の設定の時における借地権者に帰属する経済的利益」の額に含めて評価することが明らかにされている。 定期借地権の目的となっている宅地の評価については、字幼稚としての価額から、財産評価基本通達27−2で評価した定期借地権の価額を控除して評価することになる。 前払賃料のうち未経過の期間に相当する額は、相続の際には、借地権者からみれば債権、地主から見れば債務ということになるが、相続税の計算では、借地契約の存続期間に応じた評価に反映されるため、定期借地権とは別の財産として相続財産に計上する必要はないし、相続財産から債務として控除することもできない。 このほか、地主サイドが受領する前払賃料に係る経済的利益については所得税の課税がないこと、借地人に前払賃料支払いのための借入金があったとしても、いわゆる住宅ローン控除や相続時精算課税における住宅取得等資金の贈与の特例は適用されない旨が明らかにされている。 今回の照会に係る取扱いの内容は以下のとおり。(国土交通省からの照会原文中(理由)部分は省略。原文は国税庁ホームページに掲載) 1 前払賃料方式による定期借地権が設定されている場合の相続税の取扱い (1) 定期借地権の財産評価及び前払賃料の未経過分相当額の取扱い 相続、贈与又は遺贈(以下「相続等」という。)により取得した前払賃料方式による定期借地権の価額を財産評価基本通達27―2《定期借地権等の評価》のただし書きの定めにより評価する場合には、前払賃料の額を動向の算式に定める「定期借地権等の設定のときに置ける借地権者に帰属する経済的利益」の額に含めて、課税時期(相続開始時)における定期借地権等の価額を評価する。 なお、前払賃料のうち課税時期における未経過分に相当する金額(以下「前払賃料の未経過分相当額」という。)については、定期借地権の評価額に反映されているため、定期借地権と別の相続財産として計上する必要はない。 (2) 定期借地権の目的となっている宅地の評価及び前払賃料の未経過分相当額の取扱い 相続等により取得した前払賃料方式による定期借地権の目的となっている宅地の科学は、財産評価基本通達25《貸宅地の評価》の(2)により、原則として、字幼稚としての価額から上記(1)により評価した課税時期における定期借地権等の価額を控除した金額によって評価する。 なお、財産評価基本通達25(2)ただし書き及び平成10年8月25日付課評2―8「一般定期借地権の目的となっている宅地の評価に関する取扱いについて」は、前払賃料方式による定期借地権の目的となっている宅地の評価にも適用されることになる。 また、前払賃料のうち、課税時期における契約期間の残余の期間に充当されるべき金額(前払賃料の未経過分相当額)については、定期借地権の付着した宅地として評価上減額されるため、別の債務として控除することはできない。 2 借地権設定者が受領する前払賃料に係る経済的利益に対する所得税の取扱い 個人である借地権設定者が、前払賃料方式による定期借地権の設定に伴い受領する前払賃料については、その経済的利益を毎年の不動産所得に計上しなくて差し支えない。 3 前払賃料を一括して支払うための資金に係る住宅借入金等特別控除の特例等の適用 前払賃料の支払二充てるための借入金又は父等からの資金贈与については、租税特別措置法第41条に規定する住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の特例又は同法第70条の3に規定する特定の贈与者から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税に係る贈与税の特別控除の特例の適用はない。 |