■税務
法定外税
待山会計事務所   税理士  待山克典

法定外税
  駅前の放置自転車対策として鉄道事業者に自転車税(放置自転車等対策推進税)を課税しようという構想を東京都の豊島区が発表し、論議を呼んだことがありましたが、このよう各地方自治体が独自に設ける税のことを法定外税といいます。
 地方自治体が課税する税としては、住民税や不動産取得税、たばこ税などがあり、これは地方税法で税率や納税者などを規定している全国的な税ですが、地方自治体が独自に条例で定めて、総務大臣の同意を得れば認められるのが法定外税です。さらに、この法定外税は、徴収した税の使途が限定されていない「法定外普通税」と、限定されている「法定外目的税」の2つに分かれます。
 最近の例を見ると、環境意識の高まりからか、森林などの環境保全を目的とした新たな税として、高知県が平成15年4月に森林環境税という税で全国に先駆けて導入、その後、岡山県が「おかやま森づくり」、鳥取県の「水と緑の森づくり税」などがあります。
 多くの県で導入しているものでは、核燃料の価格に課税する「核燃料税、核燃料物質等取扱税」などが北海道、青森県、福井県など13の道県で取り入れられています。若干"毛色"が変わったところでは神奈川県の「臨時特例企業税」で繰越欠損金と相殺される当期利益に課税するものがあります。これらは、法定外普通税になります。
 また、法定外目的税としては、「森林環境税」や廃棄物の排出抑制やリサイクル促進を目的とした「産業廃棄物税」などがありますし、東京都では、都内のホテルや旅館に宿泊した人に対して、宿泊料金と宿泊数に応じて課税する「宿泊税」があります。この税収は東京都内の案内標識の整備や観光ガイド・情報提供のために使われています。
 市町村単位で導入しているものとしては、東京都豊島区が「狭小住戸集合住宅税」、福岡県太宰府市が「歴史と文化の環境税」という税を課しています。

相続放棄
  少し前に、相撲関係者が遺産をめぐって相続放棄をするというトピックが話題になりましたが、一般的には、財産を相続した際、債務が多いことを理由に相続を放棄することが多々あります
 この相続放棄ですが、民法上は、被相続人の死亡を知ってから3ヶ月以内に家庭裁判所に相続放棄の申述をすれば相続放棄をした者は、相続人としてはもともといなかったとみなされることになります。
 ところが、税法の取り扱いについては少し違います。相続税の計算は、遺産総額のうち法定相続人数をもとに計算した基礎控除分は相続税が課税されない仕組みとなっていますが、相続放棄をした相続人がいる場合、基礎控除の計算上、相続放棄をした者も法定相続人として扱われるのです。
 税法上の相続人数の取り扱いでは民法では「もともといなかったもの」とされていても「相続の放棄があった場合には、その放棄がなかったものとした場合における相続人の数」とされているのです。
 例えば、相続財産が3億円で法定相続人が子3人、うち1人が相続放棄をしたとすると、相続税額の計算は、次のようになります。まず、遺産総額から基礎控除を差し引きます。基礎控除は8,000万円(=5,000万円+1,000万円×3人)になります。その結果、課税される遺産総額は2億2,000万円(=3億円−8,000万円)です。この遺産総額を法定相続人3人の法定相続分(3分の1づつ)で割った金額7,333万3千円に対する税額は1,499万9,900円(7,333万3千円×30%−700万円)となります。納付する相続税の総額約4,500万円(1,499万9,900円×3)について、相続放棄をした者を除いた2人が実際に相続した割合に応じて相続税を負担することになります。