■税務
アスベストの対策費用
待山会計事務所   税理士  待山克典

 かつて建築材料として耐火・防音のために建物に広く使われてきたアスベスト(石綿)の関連作業に従事していた人がアスベストの繊維を吸い込み、肺線維症(じん肺)、悪性中皮腫を起こしているとして大きな問題となっています。
 こうした事態を政府も重視し、使用中の建物等のうちアスベストの飛散の可能性がある場合、建築物の所有者や貸与している者は、除去や封じ込めるなどの措置を行なわなければならないことを法的に義務付けています。また、法的に許容されるアスベストの含有比率を引き下げるなどの措置も講じるとしています。
 このアスベストを除去する費用は、2万円程度(1uにつき)かかるといわれているようですが、税務上は、修繕費として一時の損金に算入することができることになりましょう。
 アスベストの除去するのは法的な義務付けによるものであり、当局としても原則として除去費用の全額を一時の損金に算入しても差し支えないとする見解であるようだ。したがって、アスベストが吹き付けられている壁のアスベストを除去し、壁紙を張り替えるなどの作業の費用については、その固定資産を維持・管理のためのものであることから修繕費とすることがさしつかないといえます。
 もっとも、アスベストの除去工事の際に、「この際だから」と建物の模様替えやリニューアルを行った場合など、明らかに資産の価値を高めるような改修を行なう費用については、資本的支出とみなされ一時の損金とは認められないのはいうまでもありません。