■税務
消費税のみなし仕入率
日本会計グループ   税理士  吉岡和守

 消費税の計算方法では、小規模な事業者の納税計算の事務負担を考え、簡易課税制度を認めています。簡易課税制度をつかって消費税額を計算する場合、「課税売上×5%−(課税売上×みなし仕入率)×5%=納付消費税額」の算式で計算することになります。
 このときのみなし仕入率は業種によって異なり、卸売業(第一種事業)90%、小売業(第二種事業)80%、製造業等(第三種事業)70%、その他の事業(第四種事業)60%、サービス業等(第五種事業)50%とされています。この割合をもとに課税仕入れを算出して控除額を計算する仕組みとなっています。ある意味、この業種区分によって実際の納付税額が大きく変わってくるため、影響が大きいといえます。
 上記の業種区分を複数行っている会社や行っている事業がどれに該当するか判断が分かれるような場合、十分に気をつけたいところです。
 最近、この簡易課税制度をめぐり、歯科技工所が「サービス業か製造業」かで争われた結果、製造業に当たるとして納税者の主張を認める判決が、名古屋地裁でありました。このケースで考えると、かりに課税売上高1,000万円の場合での消費税を比較すると、納税者の主張どおり歯科技工所が製造業の場合、納付する消費税額は15万円となります(課税売上に対する消費税50万円(1,000万円×5%)−課税仕入に対する消費税35万円((1,000万円×70%)×5%))。一方、税務当局の主張どおりサービス業とすると、みなし仕入率は50%であるため納付消費税額は25万円となります(課税売上に対する消費税50万円(1,000万円×5%)−課税仕入に対する消費税25万円(1,000万円×50%×5%))。
 業種区分が変わっただけでこれだけ大きな差が出ますので慎重を期したいところです。