クリニックを開業しましたが、開業準備期間中に、職員の給与、交通費、光熱費、借入金の利子等の諸費用を支出しました。開業費用には、どのようなものが該当しますか。また、 これらの諸費用はどのように取り扱われますか。

諸費用はすべて繰延資産である開業費に該当します。開業費とは、個人事業を開始するまでに特別に支出する費用をいいます。例えば、経営構想づくりのための情報収集、開業地選定、資金調達、物件取得、人材採用、開院時広告宣伝費等は開業費に該当するといえます。
法人税法では使用人の給与、光熱費、借入金の利子等の経常的に発生する費用は、その性質から開業費に含まないものとされています。
しかし、所得税法では経常的な費用であっても、その支出が開業準備のために特別に支出されたものであり、かつ、資産の取得に要した金額とされるべき費用及び前払費用に当たらない場合には、繰延資産として計上することが相当であると思われます。