創業者である大平吉朗会長は、大学院終了後、愛知県内の公立高校教諭、監査法人丸の内会計事務所勤務を経て、昭和47年に大平経営会計事務所を設立。開業時は職員ゼロ、顧問先ゼロで、自宅に事務所を構え大平会長１人でのスタートであった。 同事務所が拠点を置く豊橋市はトヨタ自動車の影響を大きく受ける都市ではあるが、自動車産業が盛んな都市というわけではなく、さまざまな業種の中小企業が存在していた。大平会長は、地元経済の基盤を築いている中小企業の経営の重要さに注目し、中小企業の経営支援に早くから力を注いできた。教育大学出身、高校教諭を経験してきた大平会長らしい取り組みとして、経営のワンポイントアドバイスを行うリーフレットや、多くのシリーズを誇る書籍「同族経営学」、セミナー開催など、積極的に中小企業のための取り組みを行ってきた。 大平会長自身はまったく考えていなかったのだろうが、その取り組みが同事務所や大平会長を地元に知らしめる広告効果をもたらし、また大平会長の真摯な取り組みが認められ、ジワジワと顧問先を増やしていくこととなった。 平成13年、大平会長は会長就任と同時に経営からは退いた。その時点で同事務所は、既に顧問先900件を抱える事務所に成長しており、職員・アシスタントの数も現在と同じくらいまで増えていた。根っからの学者である大平会長は、ライフワークともいえるリーフレットの作成とセミナー講師は、現在も現役で行っているのだ。 大平会長の顧問先を第一に考える経営方針は、息子である大平社長に見事受け継がれ、地元でも有数の大規模な会計事務所を、大平社長の経営手腕により現在もさらなる成長を遂げている。 ■大平経営会計事務所の軌跡
平成13年、先代の大平会長から同事務所の経営を任された大平社長。地元でも有数な大規模な事務所を若くして担うことになり、相当なプレッシャーもあったことだろうが、持ち前の冷静さで事務所の現状を把握し、業務改善を行っていった。 まず行われた業務改善は、アシスタント職員を補強することによって職員の負荷を減らし、顧問先に対するサービスの充実を図るようにした。当時、同事務所は、顧問先件数が飛躍的に増加したことにより、職員が抱える業務が多くなり過ぎ、夜遅くまで業務を行っていたそうだ。そのため職員の離職が相次いだため、これではいけないと思い業務改善に取組むようになったのだ。その後も同事務所では、積極的に業務の効率化を図って行く。 現在、同事務所の１Fにはお客様との商談スペースがあるのだが、エントランスから商談スペースにかけ白を基調とした、清潔感の溢れるスペースが非常に印象的だ。しかし、大平社長が事務所を引き継いだ当時は、１Fの同スペースがアシスタント職員の作業フロアで、顧問先からお預かりしていた書類が溢れかえっていたのだそうだ。その状況を顧問先のお客様から個人情報の管理は大丈夫なのかと指摘され、当時、個人情報保護法案が丁度話題になっていたこともあり、思い切って事務所の改装を行ったのだ。写真を見ていただいてもわかるように、非常に明るく清潔感に溢れ、入りやすい雰囲気となっている。 その状況を顧問先のお客様から個人情報の管理は大丈夫なのかと指摘され、当時、個人情報保護法案が丁度話題になっていたこともあり、思い切って事務所の改装を行ったのだ。 写真を見ていただいてもわかるように、非常に明るく清潔感に溢れ、入りやすい雰囲気となっている。 事務所内には24時間体制の監視カメラも４台設置されており、同事務所のセキュリティは万全で、顧問先からも高い評価を得ているそうだ。 事務所内には24時間体制の監視カメラも４台設置されており、同事務所のセキュリティは万全で、顧問先からも高い評価を得ているそうだ。事務所を拝見させていただき、事務所を清潔に保ちお客様の大切な書類を万全の体制でお預かりしているという同事務所の誠意溢れる姿勢が、多くの顧問先から信頼を得ている理由だと理解できた。業務における顧問先へのサービス改善はもちろん大切なのだが、同事務所のように顧問先からの意見や要望を素直に聞き入れ、迅速に対応することも大切なのだと気付かされた。  事務所の改装を行ったのは、１Fフロアだけではない。同事務所の最上階には、過去40年分の同事務所の資料を保管する倉庫があるのだが、倉庫はオートロックキーが設置され、一般の職員では出入りできないようになっており、監視カメラも設置されている。同事務所のセキュリティ体制は万全といえよう。 そして同事務所内には、写真のような張り紙が貼られており、職員に対するしっかりとした指導が行われているということが見て取れる。取材中すれ違った職員の方々は、みなさん明るく挨拶をしてきてくれた。同事務所では職員に対するしっかりとした指導が行われているということが見て取れ、規律の取れた素晴らしい事務所である。お客様を第一に考えるという大平会長の意思を受け継いだからこそできる、決め細やかな職員教育なのだろう。その取組みの成果が、同事務所の今日の発展が示しているといえよう。 
な職員教育の現われだろう。 |
