「職員行動規定」を策定する目的は、大きく以下の3点になります。
(1)税理士法により自らの行動が制約されることへの自覚を促すため
(2)事務所独自の行動基準を遵守させ顧客からの信頼を高めるため
(3)就業規則等所内ルールを徹底し責任ある行動を取らせるため |
(1)税理士法により自らの行動が制約されることへの自覚を促すため 税理士が税理士法に違反した場合、税理士法に基づき処罰されることになりますが、それが職員であっても同じく処罰の対象になります。また、職員が犯した税理士法違反については、管理・監督者としての所長税理士の責任も問われることになります。 重大な違反であれば、資格剥奪等の重い処分が下されることもあり、まさに、職員の行動に事務所の存続がかかっている、といっても決して過言ではありません。 そこで、税理士法に基づき、職員が遵守するべき行動基準について、『職員行動規定』の中に明確に謳っておくことは非常に重要です。 その際、税理士法にも謳われている以下のポイントについては、必ず抑えておく必要があります。
●脱税相談の禁止 | ●ニセ税理士行為の禁止 | ●秘密保持の義務 | ●信用失墜行為の禁止 | ●利害関係の相反 | |
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(2)事務所独自の行動基準を遵守させ顧客からの信頼を高めるため 関与先が会計事務所に対して抱く不満の一つに、「職員の態度が悪い」といったことがあげられます。それを防止するためにも、顧客満足に繋がるような職員の行動基準を明確に定め、遵守させることが求められます。 具体的には、以下のようなテーマに沿って、会計事務所の職員として、どのようなレベルの行動を求めるのか、明確に示す必要があります。
●服装・身だしなみ ●挨拶 ●電話応対基準 ●会社周辺の美化 等 |
服装・身だしなみ・挨拶・電話応対等の基本的なビジネスマナーについては、最低限記載する必要があります。特に、これらの行動は、関与先の第一印象を左右してしまう重要な項目になりますので、事務所としてどのようなレベルの対応を求めるのかをできるだけ具体的に記載することがポイントです。
(3)就業規則等所内ルールを徹底し責任ある行動を取らせるため 『職員行動規定』を策定する目的としては、就業規則等、所内のルールを職員に徹底し、事務所の職員として責任ある行動を取らせるため、という目的もあります。 職員が職場のルールを守り、規律ある行動をとることで、事務所としてのレベルも上がって行きます。逆に、ルールを軽視する職員が多くいれば、指示は守られず、業務は滞り、顧客にまで迷惑をかけてしまう結果となります。 『職員行動規定』に最低限定めておくべきルールとしては、以下のようなものが考えられます。
●就業規則遵守規定 ●車両使用基準 ●各種報告書提出基準 |
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