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（１）現行の社会福祉法人会計基準とは ��会計基準導入の背景 社会福祉法人については、社会福祉事業の中心的な担い手としてふさわしい事業を確実、効果的かつ適正に行うため、自主的に経営基盤の強化を図るとともに、その提供する福祉サービスの質の向上及び事業経営の透明性の確保を図るとともに、従来の施設単位であった会計単位を法人単位に一本化し、法人全体での把握ができるようになる会計基準が制定されました。 ��会計基準導入の背景 現行会計基準については、以下の4点が基本的な考え方となっております。
��会計基準導の骨格 会計基準の骨格については、以下5点で示されます。
��会計基準の適用対象 現行会計基準の適用対象については、以下の通りとなっています。
 この結果、以下のような問題点が生じてしまいました。
（２）会計ルールの簡素化を目指した新会計基準の制定 社会福祉法人の会計処理については、平成12年度以降、「社会福祉法人会計基準」のほか、「指導指針」（略称）や「老健準則」（略称）等、様々な会計ルールが併存しており、事務処理が煩雑、計算処理結果が異なるなどの問題を解決するために会計基準が一元化されることとなります。 ◆適用範囲の一元化 社会福祉法人が行う全事業（社会福祉事業、公益事業、収益事業）が適用範囲になります。
（３）求められる経営透明化への対応 民間非営利法人の健全な発展は社会の要請であり、社会福祉法人は、その取り巻く社会経済状況の変化を受け、一層効率的な法人経営が求められること、また公的資金・寄附金等を受け入れていることから、経営実態をより正確に反映した形で国民や寄附者に説明する責任があるため、事業の効率性に関する情報の充実や事業活動状況の透明化が求められています。 （４）収益性、効率性など経営実態の明確化 計算基準の違いにより、事業活動収支計算書の収支差額に違いが発生することになっており、事業の収益性や効率性を比較する上で弊害となっていました。 ■例） 国庫補助金等特別積立金の取扱い
この処理の違いにより、�△里曚Δ�補助金が入金された年度において費用が増加するため、収支差額は少なくなります。（国庫補助金等特別積立金積立額を計上するため） この結果、例えば、特養を運営している法人のうち、会計基準を適用している法人と指導指針を適用している法人では、収益性分析や生産性分析などにおいて差異が見られ、単純に経営指標の実態比較ができない状況となっていましたが、一元化により今後は全ての同一事業を行っている法人との経営指標の実態比較が可能となります。 社会福祉法人が行う全ての事業（社会福祉事業、公益事業、収益事業）が適用対象となります。法人全体の財務状況を明らかにし、経営分析が可能なものとするとともに、外部への情報公開も勘案されています。
なお、事業活動計算書、貸借対照表を補足する書類として、現行の多岐にわたる別表、明細表を統一して、必要最小限の「附属明細書」として新たに整理。
区分方法は、法人全体の計算を事業区分別、拠点区分別、サービス区分別に分類し、それぞれ資金収支計算書、事業活動計算書、貸借対照表を作成します。 ■区分方法の変更イメージ
（１）収益性、効率性など経営実態の明確化 法人全体を社会福祉事業、公益事業、収益事業に区分します。 ●事業区分ごとの財務諸表の作成について 事業区分資金収支内訳表、事業区分事業活動内訳表及び事業区分貸借対照表内訳表は、当該事業区分に属するそれぞれの拠点区分の拠点区分資金収支計算書、拠点区分事業活動計算書及び拠点区分貸借対照表を合計し、内部取引を相殺消去して作成します。 この場合、各拠点区分については、その主たる事業が社会福祉事業、公益事業及び収益事業のいずれであるかにより、属する事業区分を決定します。なお、公益事業又は収益事業が主たる事業である拠点においては、社会福祉事業を一体的に行っている場合でもその社会福祉事業は別の拠点区分とします。 （２）拠点区分 法事業区分を拠点（施設・事業所）別に区分します。ただし、特養に通所介護、短期入所生活介護が併設されている場合は、１つの拠点区分とする等、現行の指導指針における「会計区分」に準じた区分となります。 ●拠点区分の設定の具体的方法（運用指針�毅粥� ��拠点区分について
��拠点区分 次の施設の会計は、それぞれの施設ごと（同一種類の施設を複数経営する場合は、それぞれの施設ごと）に独立した拠点区分となります。
なお、当該施設で一体的に実施されている上記以外の社会福祉事業又は公益事業については、当該施設の拠点区分に含めて会計を処理することができます。 これは、原則、事業所又は事務所を単位に拠点とし、同一の事業所又は事務所において複数の事業を行う場合は、同一拠点区分として会計を処理することができるということです。例えば、単独デイサービスセンターと居宅支援事業所とホームヘルプを一か所で構えている場合は、そこが１拠点となります。 （３）サービス区分 その拠点で実施する事業別（例えば、特養、通所介護、短期入所生活介護）に区分します。 ●サービス区分の設定の具体的方法（運用指針�毅粥� ��サービス区分の方法 介護保険サービス及び障害福祉サービスについては、会計基準注解（注４）に規定する指定サービス基準等において当該事業の会計とその他の事業の会計を区分すべきことが定められている事業をサービス区分とします。 他の事業については、法人の定款に定める事業ごとに区分するものとします。なお、特定の補助金等の使途を明確にするため、更に細分化することもできます。ただし次のような場合は、同一のサービス区分として差し支えありません。
��サービス区分の設定 現在の経理区分あるいはセグメントと同様と考えて差し支えないと思われます。 今回の新会計基準移行の意図として、区分ごとの損益を明確にすることも含まれています。そのための取引方法として２つの方法を明確に定めています。 ■区分別損益明確化の方法
（１）内部取引消去 法人全体の正確な収支を把握するために内部取引を消去することになりました。拠点区分ごとの資金収支内訳表等において確認することになります。 ��内部取引の種類 新会計基準は、事業区分、拠点区分、サービス区分を設けるため、これらの区分間で内部取引が生じる可能性があります。
��内部取引の相殺消去の仕方 新会計基準では、財務諸表において「内部取引消去」欄を設けた上で相殺消去することが求められます。これまでは、内部取引について財務諸表を作成する際に相殺消去することは求められていませんでしたので注意する必要があります。
（２）共通収支の配賦方法 新会計基準は、原則として会計帳簿を各拠点に備え置くと規定してこの場合に発生するのが、複数の拠点にまたがり発生する収支（収益支出）を合理的な配賦方法により、各拠点に配分するかたちになります。なお、どのような配分方法を用いたかが分かるように記録しておくことが必要であるため、留意が必要です。
■社会福祉法人会計基準適用上の留意事項（運用指針）より
■社会福祉法人会計基準注解８より
（１）事業活動計算書 下記のように区分名が変更されます。
（２）貸借対照表 下記のように区分名が変更されます。 ��リース会計の科目追加 資産には、リース資産として計上。負債には、リース債務として両建計上されます。 ��１年基準（ワンイヤールール）の科目追加 以下のような科目が追加されます。
（３）区分ごとに作成すべき財務諸表 事業区分、拠点区分、サービス区分数によって異なります。 
■財務諸表の様式 ��資金収支計算書    （１）付属明細書の変更 現行基準に基づいて作成が求められている各種の別表・附属明細表などを共通フォームに統一し、社会福祉法人に必要な内容に整理されます。 就労支援事業を行っている法人は、上記の他、適正な工賃算定のために製造原価などの必要最小限の事項を明細書として作成します。
（２）新たに加わった注記事項 現行の会計基準で、計算書類の注記事項として記載していた７項目に加え、経営内容をより正確に説明する趣旨から、「法人で採用する退職給付制度」、「関連当事者との取引内容」等、8項目を追加し、15項目に拡充。また、法人全体の他、拠点区分でも財務諸表の注記をします。（下記☆印の項目は拠点区分では記載不要）。
新会計基準より「継続事業の前提に関する注記」や「関連当事者との取引の内容」などが注記項目に追加されました。公益性の高い法人である社会福祉法人の経営内容をより正確に説明する趣旨によるものと考えられます。 「継続事業の前提に関する注記」や「関連当事者との取引の内容」は民間企業においても会社法で定められた計算書類に含まれている項目とほぼ同じ内容が採用されています。 （３）継続事業の前提に関する注記 継続事業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在する場合（事業毎に判断するのではなく、法人全体の存続に疑義が生じた場合に限る）であって、当該事象又は状況を解消し、又は改善するための対応をしてもなお、継続事業の前提に関する重要な不確実性が認められるときは、財務諸表に次の事項を注記する必要があります。
（４）関連当事者との取引 新会計基準では、財務諸表に対する注記として、「関連当事者との取引の内容」を記載することとなります。そこで、関連当事者の範囲と記載内容について確認しておく必要があります。 ��関連当事者の範囲 新会計基準では、財務諸表に対する注記として、「関連当事者との取引の内容」を記載することとなります。そこで、関連当事者の範囲と記載内容について確認しておく必要があります。
��関連当事者との取引に関する注記事項 新会計基準では、財務諸表に対する注記として、「関連当事者との取引の内容」を記載することとなります。そこで、関連当事者の範囲と記載内容について確認しておく必要があります。
��注記を要しない関連当事者との取引
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