（１）サービス向上へ6つのチェックポイント
福祉サービス第三者評価制度の評価結果は、施設が直面している諸々の経営課題の解決にも有効に活かすことができます。施設のサービスを向上させるための6つの活用ポイントを以下に示します。
��経営理念・方針・経営計画の浸透状況
| ● |
経営理念は明確か、末端まで浸透しているか、法人の具体的活動方針と整合性がとれているか |
| ● |
中長期経営計画・年度計画・部門計画を立てているか、末端まで浸透しているか
（計画していても職員に浸透していないと評価は低くなる）
|
|
��マニュアル・規程類の整備
| ● |
諸規程・マニュアル・報告書様式等は整備されているか |
| ● |
行政監査対応は最低ラインであり、質の向上を目的として必要に応じて追加しているか
（ＩＳＯ型の品質マニュアルなどは評価が高くなる）
（但し、適切な運用が伴っていることが高評価の前提となる）
|
|
��情報管理体制の強化
| ● |
利用者情報、申込者情報の管理体制（守秘体制） |
| ● |
情報提供希望への対応が十分か |
| ● |
広報誌・ホームページ（内容も重要）が整備されているか |
|
��業務管理・委員会・研修実績等の記録保持
| ● |
委員会活動は必要十分か、内容が伴い、改善につながっているか |
| ● |
議事録等文書は残されているか |
| ● |
職員育成研修は計画的に実施されているか、参加者のレベルアップ状況などの記録が残されているか |
|
��利用者満足度調査の継続実施と改善活動
| ● |
利用者・家族に対する満足度調査を定期的に実施しているか |
| ● |
実施結果の分析と改善策がリンクしているか |
| ● |
苦情相談窓口は設けているかか |
|
��経営幹部の資質向上と責任権限の明確化
| ● |
経営幹部に対してヒアリングが実施されているか |
| ● |
経営方針浸透策や中長期計画が明確になっているか |
| ● |
職種ごと・階層ごとの職務分掌・役割権限が明確化されているか |
| ● |
一般の職員にそれぞれの役割について浸透させているか |
| ● |
人事考課制度・目標管理制度等整備されているか |
|
（２）評価結果の活かし方
��ＰＤＣＡサイクルとは
課題解決に有効なプロセスとしてＰＤＣＡサイクルというものがあります。
ＰＤＣＡサイクルとは、業務遂行に当たって、P（Plan：目標設定、計画策定）、D（Do：実施及び運用）、C（Check：監視・測定とその結果の報告）、A（Action：継続的に改善するための処置）の4つのステップを1つの周期として、常に回転させることで事故再発防止や、問題解決に活かすことが可能となるものです。
このＰＤＣＡサイクルを第三者評価によって明らかになったサービス向上への課題を改善するための活動に役立てることが可能です。
■PDCAサイクル
（３）ＰＤＣＡサイクルを活用したサービス改善プロセス
| |
第三者評価により明確になったサービス面の課題を解決するために、具体的に何に取り組むのかについて決定します。
|
| |
テーマが明確になったら、そのサービス面の課題は現在どのような状況であるかを分析します。
組織上の問題、人的問題、時間的問題など何が問題になっているかを明確にします。
|
| |
サービスを改善するために、具体的に何に取り組むのかについて目標を設定します。
目標設定の留意点としては、すぐに実行に移せるよう目標に具体性を持たせ、期限や役割（担当）を決めることが重要です。
|
| |
計画を立てたことは即実行します。どんないい計画を立てても実行しなければサービス改善はされません。
|
| |
実行したことが、うまくいったかどうか、効果の確認は、必ず行わなければなりません。この確認を行い、十分成果を挙げた場合には、ＳＴＥＰ７の承認へと進みますが、一部変更の必要があるならば、変更案を立てます。
また、抜本的な計画の見直しが必要であるならば、目標設定の見直しを行います。（ＳＴＥＰ３へ戻る）
|
| |
一部見直しを行い、再度実行後、成果を挙げれば、承認します。
|
| |
承認は、責任者が行います。
承認後は、成功事例として全員への周知を図ると成功事例が共有化されます。
|
|
|
