病院機能評価　受審準備のポイント　-　医療・福祉経営改善ナビ

平成21年３月時点における病院機能評価の認定数は、全国で2,556件となり、全病院数の4分の1超える状況となっています。
しかし、受審数自体はV5.0のリリース以降は減少傾向にあり、特に新規の受審数は頭打ちの状況です。これは、ハードルの高さがイメージとして蔓延しているほかに、平成18年の診療報酬改定が大きく影響していると思われます。「認定証があっても収入の増加には繋がらない」といった風潮は、今後も続くことになるでしょう。

（１）３件に１件は認定病院
全国では約30％の病院が認定されていますが、都道府県別にみると、最も高い認定率は滋賀県で41％、最も少ない秋田県が16.7％と実に24.3％もの開きがあります。

【都道府県別認定病院率（平成21年3月31日現在）】

※出典　財団法人日本医療機能評価機構

認定病院の年次推移では、平成９年から１２５件でスタートし、ピーク時の平成１６年では受審数は６０３件に上りましたが、その後減少傾向に転じ、現在は５００件を割り込んだ状況で推移しています。

【認定医療機関の状況】

※出典　財団法人日本医療機能評価機構

（２）伸び悩む受審数
特に新規受審数においては下降線の一途をたどり、平成１９年には更新件数が新規受審先の件数を上回る逆転現象が起きています。さらに新規受審先は減少を続け、現在では年間の受審数が概ね１００件を切ろうとしている状況です。

【新規・更新受審数の推移】

※出典　財団法人日本医療機能評価機構

地域別状況をみると、ここ一年間で最も増えたのが、東京都の１０件（１８５件から１９５件）、次いで北海道の７件（１２５件から１３２件）で、以下６件（１００件から１０６件）の愛知県、５件の埼玉県、静岡県、徳島県、熊本県と少ない数値で推移しています。
また、特筆すべきなのは、兵庫県や秋田県、千葉県、石川県、岐阜県のように前年の認定数を下回るケースも出てきている点です。そもそも受審する目的が何なのかがより一層厳しく問われて来ていることがうかがえます。

【認定病院の推移(平成20年と平成21年との比較数)】

※出典　財団法人日本医療機能評価機構

（３）開設者別認定病院数
開設者別での認定数でみると、認定率が高いのは社保関係団体で１００％、そのほか労働者健康福祉機構（労災病院関係）が８８．６％で続き、以下国立大学法人が８１．３％、日赤関係が７８．３％となっています。
しかしこれらは、病院数自体が少ないこと、つまり分母の絶対数が少ないために高い割合となったのであり、一方、病院数の多い公的病院（市町村病院）では３７．２％と４割にも満たない状況です。さらに最も病院数の多い医療法人に至っては、２３．６％と全病院の認定数（平成２１年３月末で２８．９％）をも下回っています。したがって、機構としても、特に医療法人のうち病床規模の小さい２００床以下の病院への受審の促進に対して、最も注力して活動すべきとしています。
その活動のひとつが、平成１９年から開始された審査体系の見直しであり、より受審しやすい体制が構築され、初回認定率などの低下に大きく貢献することとなりました。

【開設者別認定病院数】

※出典　財団法人日本医療機能評価機構

認定留保とは、受審した結果求められる基準を満たしていないなどの理由で『改善要望事項』が与えられた病院に対して文字通り「認定を留保する」ことをいいます。これらに該当する病院については、再審査等によって改めてその項目について取り組みをしたうえで、認定される流れとなります。

（１）第１領域の傾向
第１領域では、Ver.5.0まで法令遵守の項目があったため、その項目での認定留保となる傾向が高い状況です。次いでボランティアの受け入れ、個人情報の守秘が小項目でｃとなる割合が高くなっています。

【小項目での上位を占める項目】