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評価項目の減少は、単に項目が削除されたのではなく、そのほとんどが集約・統合されて今回の項目数にまで減少したというものです。 各領域で、評価項目がどのように組み替えられたのかをみていきます。 （１）削除された項目 第１領域では、「関係法令の遵守」が大項目から削除されています。これは、各領域においてコンプライアンスの評価が行われていたことから、重複して評価する点を見直したということです。 例えば、第６領域の「労働安全衛生委員会の実施」が満たされていないとすると、当該領域で小項目ｃおよび中項目２の評価になるのと併せて、第１領域のこの項目でもｃおよび２になるという状況があったのです。 【他の領域にまたがって重複して評価されていた項目（Ver.5.0）】
上記のように小項目、中項目さらには大項目と完全に削除されたものは、このコンプライアンス関連項目だけですが、小項目から下位項目にランクダウンされたものがいくつかあります。 一見すると小項目から削除されたようにみえますが、下位項目は小項目を判定する上で重要なファクターとなりますから、注意する必要があります。 【下位項目にランクダウンした項目】地域連携��
【下位項目にランクダウンした項目】地域連携��
地域連携�，砲�いては、小項目が下位項目に移動するとともに、他の小項目との組み換えも行われ、全体としては項目数の減少に結び付いているといえます。 また地域連携�△離院璽垢任蓮�Ver.5.0で４つあった小項目が、ひとつに統合されるとともに、小項目の評価内容が下位項目に盛り込まれることとなり、一見すると３つの小項目が削除されたように映ります。 しかし、実際には下位項目として引き継がれているわけですから、削除されたのではなく、必ず評価しなければならないことが理解できます。 （２）移設・統合された項目 中項目では積極的な移設・統合が進められました。これは、かつてVer.4.0からVer.5.0への移行時にも行われていますが、当時の比率は中項目、小項目ともマイナス７％程度であり、今回の見直しが大規模に実施されたことがわかります。 移設・統合の詳細は次のとおりです。なお、第３領域で評価されていた禁煙に関する項目が第１領域（1.7.2 禁煙が徹底されている）に移設され、逆に第４領域にあった図書室機能が1.5.1.3に移動しました。 【理念・基本方針】
中項目が１つに統合されたケースです。理念に関してはさらに、「組織運営上の目標の明確化」や「患者の立場に立った医療の実践に関すること」などの明記が小項目中で求められていましたが、今回削除されました。この背景には、理念や組織運営上の基本方針について評価を受けるのはそもそもおかしいのではないか、つまりサーベイヤーであっても病院の理念には口出しすべきではないとの判断がなされたためだと推測されます。 なお、以前「基本方針は定期的に見直されている」との小項目がありましたが、今回は下位項目として「定期的に検討されている」といった言い方に変更されています。 【病院の役割と将来計画】
病院の役割と将来計画の項目では、大項目の統合と中項目の移設が行われました。 【地域連携】
下位項目へのランクダウンに伴い中項目へ統合されたケースです。ここで特筆すべきポイントとしては、細かい言い回しは避けて、朱書きしているように「適切に図られている」あるいは、「適切に行われている」といった言い回しになっている点です。 これは今回の改定のひとつの特徴で、曖昧な表現となっているものが他の領域でも散見され、自己評価する側にとってはやっかいな問題であるといえます。 （１）削除された項目 第１領域同様に第２領域でもひとつだけ削除された項目があります。それが治験に関する項目です。それ以外の項目については、小項目にから下位項目へのランクダウンによるものがほとんどです。 なお、2.6.4にあった職員への感染予防策は、第６領域の「安心して働ける労働環境の整備」に移っています。 【下位項目にランクダウンした項目】診療記録の開示
（２）移設・統合された項目 患者‐医療者のパートナーシップと説明と同意の大項目が、パートナーシップに一本化され、新設された中項目が盛り込まれる形で統合されました。 【パートナーシップ】
この２．２「患者‐医療者のパートナーシップ」は、患者あるいは家族の参加を高く評価するという観点でしたが、Ver.6.0では中項目として位置づけられたことから、既に「当たり前基準」になったといえます。 （３）ランクアップされた項目 続いて、Ver.5.0では下位項目であったものが、小項目にランクアップされた項目について紹介します。 【セカンドオピニオン】
セカンドオピニオンは、インフォームドコンセントに際して、患者・家族から要望があった場合に対応できればよいといった考え方から、より踏み込んで、積極的に言及することが必要だとされています。 同様に、下位項目から小項目にランクアップされた項目には、以下のようなものがあります。 【安全確保】
いずれも安全確保手順に関することですが、個々に関しては当然強化されるべき項目であり、「当たり前基準」として明確化されたのだと捉えるべきです。 第３領域は、削除された項目がなく、ほとんどが他の領域に移設されたもので、一部下位項目へのランクダウンが行われています。 また第４領域では、評価の骨組みに変更がなされています。 （１）移設・統合【第３領域】 食事、ベッド・マット、禁煙関係の項目が移設・統合され、特に食事関係が第４領域の栄養部門に移設された意味は大きく、それまで複数の領域にまたがっていた栄養科の評価が一本化されたことは歓迎すべきです。
【下位項目にランクダウンした項目】案内機能
また、「診療開始予定時刻に診療が開始されている」についても、案内機能と同様、下位項目にランクダウンしています。 （２）第４領域の変更点（大項目） 第４領域は、大項目の名称が一部変更され、新たに情報システム管理機能（4.16）、医療機器管理（4.19）、臨床研修機能（4.20）が盛り込まれました。 なお、図書室機能は第１領域へ移設されています。 【名称の変更】
「部門」と「機能」という名称２つは、Ver.6.0改定により、「部門」と「機能」「管理」さらに「業務」と４つの名称に変更されています。したがって、それまで例えば洗浄・滅菌部門がない病院においても、業務として行っている限りにおいては、ＮＡとせずに明確に評価する必要があります。 （３）第４領域の変更点（部門体制等） 第４領域における各部門の評価項目の主眼は、部門体制の確立、部門運営体制、感染対策・安全対策（各論）、そして業務改善の仕組みで構成されていました。 Ver.6.0以降、部門体制・運営体制については大幅に統合されるとともに、感染対策・安全対策については、すべて第２領域に移設されています。また、業務改善については、質改善への取り組みへと変更され、単なる業務改善にとどまらず、機能評価で求められている水準の維持・改善へと視点が移っています。 なお、第４領域においては診療部門、看護部門以下コメディカルがすべて評価の対象となりますが、特に薬局に関しては高い視点で評価がなされていますので十分な対応が望まれます。 【部門体制・運営体制の構築】
部門体制の確立については、資源である「ヒト」、「設備」、「機器」といわゆるマニュア ル等の整備が統合され、運営体制では能力開発が盛り込まれました。 薬局や臨床検査室、救急では、若干独自の評価項目が追加されたものの、大きな変更は ありません。 |
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