医療法人化の検討は、まずメリット・デメリットを十分に理解したうえで、その後、どの種類を選択するかが重要です。法人の類型としては、現実には出資持分の定めのない社団で、基金拠出型を採用するかしないかの選択肢しかありません。
制度の内容を理解した上で、どの選択肢が最も適切かという判断を下すようにするのがポイントです。
特に、医療法人の残余財産が国等に帰属するようになったため、内部留保の管理についての注意は必要です。

【医療法人のメリット・デメリット】
● 医療法人化の目的
● それにともなうリスク等

【医療法人の種類の選択】
● 出資持分の定めのない社団 ・・・拠出金に関する返還義務を負わない
● 同　基金型 ・・・拠出金に関する返還義務を負わない

（１）出資持分の定めのない社団（基金拠出型含む）に移行する場合
● 出資持分の放棄の同意を得られるか
● 医療法人に対する贈与課税の問題をクリアできるか

（２）特定医療法人に移行する場合
● 出資持分の放棄の同意を得られるか
● 特定医療法人の各種要件を満たせるか
● 特別の経済的利益がないか

（３）社会医療法人に移行する場合
● 出資持分の放棄の同意を得られるか
● 「救急医療等確保事業」等の要件を満たせるか
● 特別の経済的利益がないか