財産目録、財産目録明細書、拠出（寄附）申込書
Ｑ１ 設立時の財産目録に、確定申告時に計上した「前払費用」などの経過勘定や繰延資産を記載できますか？
Ａ１ 前払い費用や繰延資産などは、その性質から拠出財産として適当とはいえません。設立時の財産目録に記載できるものは、（1）基準日現在、出資できる財産であること、　（2）医療施設を維持し、管理運営するために法人の資産　に計上されるべき財産であること。となります。
Ｑ２ 医薬品・医療器具・什器・備品などを、設立代表者が法人に対して拠出せずに、無償で貸借してもよいでしょうか？その場合、申請書に何か添付する必要はありますか？
Ａ２ 法人で使用するものであれば、原則として拠出することになります。拠出しない場合には、使用貸借契約書を作成し、法人の所有する財産との区別をしておく必要があります。
Ｑ３ 設立総会で500万円の医業未収金を拠出することになっていましたが、実際は480万円の収入しかなかった場合、拠出額の変更をしてもいいですか？
Ａ３ 実際の収入額にかかわらず、基準日現在で拠出するとした財産は、法人設立時に必ず拠出することになります。ご質問のケースでは、20万円の不足分については、現金等により医業未収金として法人に拠出します。
Ｑ４ 拠出額の最低基準はありますか？
Ａ４ 自己資本比率の要件はなくなりましたが、業務を行うために必要な施設、設備又は資金を有している必要があり、それに見合った拠出額が求められます。

負債内訳書、負債の説明資料
Ｑ１ 診療所開設時、建物の保証金と看板設置の支払のために借り入れをしましたが、この借入金の引継ぎは可能ですか？
Ａ１ 拠出を前提とした引継ぎは可能です。金銭消費貸借契約書・領収書等の借入金の内容について確認できる根拠書類を申請書に添付し、借入先の承諾が得られれば、拠出額の範囲内で負債を引き継ぐことはできます。

役員
Ｑ１ 大学生は理事に就任できますか？
Ａ１ 理事は、理事会という機関で法人の意思決定に基づく事実上の職務執行の権限を持っているので、これらの権限を行使できる程度の能力を有していることが必要です。
Ｑ２ 現在医療法人の理事である人が、別の医療法人の理事や監事に就任できますか？また、理事長である場合はどうですか？
Ａ２ 理事が別法人の理事や監事に就任することは、それぞれの職務に支障をきたさないのであれば可能です。理事長の場合も同様ですが、既存の医療法人の理事長に就任されている人が、新たにもう１つの医療法人を設立することは、特別の理由がない限り好ましくはありません。
Ｑ３ 監事は拠出できますか？また、社員になれますか？
Ａ３ 監事はその法人の理事又は職員(その法人の開設する医療機関の管理者その他の職員を含む。) を兼ねることはできませんが、社員にはなれます。
ただし、拠出はできません 。

預金残高証明書
Ｑ１ いつ現在のものが必要ですか？また、残高証明書ではなく、預金通帳のコピーでもいいですか？
Ａ１ 仮受付日前3ヶ月以内の証明書が必要です。また、通帳のコピーではなく、残高証明書を添付してください。

従業者名簿
Ｑ１ 常勤と非常勤の基準を教えてください。
Ａ１ 常勤とは、原則として診療所等で定めた勤務時間の全てを勤務する者をいいます。例えば、管理者の勤務時間が1週間32時間の場合は、32時間以上勤務している者を常勤とし、その他は非常勤とします。なお、様式25「医療従事者充足状況」の記載で常勤換算の計算が必要になりますが、様式25の「記入上の注意」の「4」を参考にして算出してください。

不動産賃貸借契約書（写し）
Ｑ１ 現在個人開設している診療所は、A社所有の物件をB社が賃借し、管理者（設立代表者）がB社から転貸借しているものです。この場合、賃貸借契約書はB社と管理者　（設立代表者）のもののみを提出すればよいですか？
Ａ１ A社・B社間の契約書とＢ社・管理者間の契約書の2通を提出する必要があります。また、覚書については、Ａ社・Ｂ社・管理者の3者間で交わしたものが必要です。

その他
Ｑ１ 病院を1箇所のみ開設しています。既に2年以上の順調な経営実績がありますが、添付を省略できる書類はありますか？
Ａ１ 病院・介護老人保健施設を開設する場合には省略できる書類はありません。省略できるのは、次の2つの基準を満たしている場合です。(1)診療所を1箇所のみ開設し、2年以上の順調な経営実績がある。(2)設立後2年間は大規模な経営計画（分院開設など）が予定されていない。なお、省略できる書類は、予算書・予算明細書・職員給与費内訳書です。
Ｑ２ はじめから2箇所以上の医療機関を運営する医療法人の設立認可申請はできますか？
Ａ２ できます。ただし、それぞれの医療機関に管理者を置く必要があります。
Ｑ３ 各種の引継承認願や覚書への承認は、仮受付までに受ける必要がありますか？
Ａ３ 仮受付時は、承認願等は押印する前のもので提出できます。ただし、本申請の時点で承認が取れないことのないように、事前に相手方の確認を取っておいてください。承認が取れない場合には、拠出財産の変更による書類の再作成が必要となったり、設立要件が満たされないなどの事態が想定されたりしますので、注意が必要です。