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総額人件費コントロールの要は賞与制度です。人件費予算と実際の人件費の幅は賞与で調整するのが、最も確実で職員にも受け入れられやすいです。賞与は固定支給という概念を改め、病院業績や個人の働きにより変動するというコンセプトを周知徹底することが必要です。 （１）支給回数・時期の見直し 多くの病医院に見られる賞与は、その大部分（あるいは全部）が年2〜3回の固定支給です。つまり、人件費予算とは無関係で、経営ビジョンとは乖離して支給されています。 例えば、夏に基本給の2ヶ月分、冬2．5ヶ月分という固定的な支給方法では、その年の基本給の昇給分が賞与に直接反映され、総額人件費全体を押し上げ、利益を圧縮してしいます。 そこで総額人件費の調整は、賞与を介して行います。但し、管理職層については、成果給として基本給でも調整を行います。その調整を行うためには、固定支給の配分を減らし、業績連動型賞与を新設し、病医院の業績や職員個人評価を反映させて、変動させます。
上記の図は3月決算を想定した上で、年3回の支給としています。年3回のうち、夏期・冬期賞与は従前の額より削減した上で固定支給し、生活補償を目的とします。決算賞与は病医院の業績、目標達成度、総額人件費予算等を踏まえて、変動支給とします。この決算賞与は夏期、冬期賞与を削減した分を原資とします。 この年3回の支給により、病医院の業績を職員に意識させることが可能になります。また賞与総額を分散させるため、キャッシュフローの改善や賞与支給後（特に支給額の大きい冬期賞与）に退職する職員をある程度防ぐことが考えられます。 （２）支給方法の見直し 年間賞与は、以下の式をもとに支給します。
従来通り、算定基礎は職員に馴染みのある基本給と月数を採用します。基本給を採用することで、賞与にも役割を反映させることができます。固定月数は、病医院の業績がどんなに悪化しても支給する月数を明示します。病医院の業績、職員個人評価結果に基づく月数は、総額人件費予算とあわせて検討した上で決定します。固定月数を含めて、毎年経営ビジョンに沿った形で月数を検討することが望まれます。
評価ごとに支給月数を決定するのが、最も基本的な賞与決定方式です。賞与原資を全員の算定基礎額で割り返して、一人当りの標準月数を決定します。標準月数を中心として、評価結果に応じて月数に差をつける方法です。管理が簡単であるため、最も広く採用されています。
評価と等級の係数マトリクスで支給額を決定する方法もあります。賞与原資のうち、一定部分を固定支給し、評価反映部分は等級別評価別に係数を設定し、比例配分する方法です。
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