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借入金の返済額を考えるとき、押さえておかなければならないことは、利益が１億円あっても１億円の借入金が返済できるわけではないということです。利益が出るということは、それに対して当然税金がかかってくるからです。 逆に、赤字であっても、減価償却費など現金の支出が伴わない費用の額によっては、借入金の返済ができる場合もあります。このとき、ポイントになるのが借入金返済額と減価償却費の額の関係です。 減価償却費は、費用になって利益を減らしていますが、実際には現金の支出を伴っていませんから、減価償却費は税金の負担を考えることなく返済に回せる資金と考えることができます。 借入金返済額と減価償却費が500万円と同額で、固定費が6,300万円、限界利益が70％の例を考えてみます。
設備投資に関しては、取得設備もしくは設備更新・修繕コストの正しい理解が必要になります。その際、保有設備・機器のメンテナンスと新規設備に分けて捉える必要があります。
下記表のように一覧表にまとめ、把握する必要があります。
（１）運転資金計画 運転資金計画は、資金運用表の構造を応用して、流動資産と流動負債の各項目の増減を算出し、これを資金の増減という観点にたって立てられるものです。 目的は、流動資産と流動負債の各項目の回転率から所要運転資金を導き出し、当期に必要とする運転資金の総額を把握し、その調達を検討することです。 （２）固定資金計画 固定資金計画は、投資計画、長期借入金の年間返済予定額等から必要資金額はどのくらいで、どのような資金源泉によって賄うかという視点で立てられるものです。なお、決算資金は翌期に必要になることに留意します。 固定資金の調達は、下記の３つの源泉に区分されます。
このうち最も望ましいのは、コストが不要な自己金融による調達です。自己金融とは、利益準備金、任意積立金、次期繰越金、減価償却費、引当金の積み増し分等病医院が事業活動で獲得した資本の増殖分を指します。 この自己金融によって固定資金が調達され、その余剰分が流動資産の増加や短期借入金の返済に充当されれば、資金計画としては最も好ましい形になります。一方、運転資金が固定資金の調達源泉となることは運転資金不足を招き、資金繰りを不安定にするため、避けなければなりません。 （３）金融機関借入・返済計画 資金計画の結果、資金不足が予想され、増資を含む自己資金でその不足が補われない場合は、金融機関等からの借り入れ（社債の発行を含む）が必要となります。 したがって、資金調達の必要が生じる場合は、「資金繰り計画表」等を金融機関に提出し、調達の準備をすることが大切です。その際、既往借入金の返済予定をきちんと織り込んでおくことも必要です。 （４）キャッシュフロー計算書を作成する キャッシュフロー計算書は、資金計画のひとつであり、予想キャッシュフロー計算書を作成し、次期に想定される資金活動を評価し、改善の余地や必要性があれば、改善策等を追加設定します。 以下の観点から予想キャッシュフロー計算書を評価します。
なお、金融機関はキャッシュフロー計算書を重視するようになってきましたので、金融機関から資金調達する場合も、有効な資料となります。 【キャッシュフロー計画】
資金繰り表は現金の収支の予算を経常収入、経常支出、経常外収支に分けて記入し、１か月ごとの現金ベースでの収支状況を示した表で、万が一にも病医院の血液と呼ばれる現金が不足することがないよう管理する道具であり、病医院経営にとって不可欠な管理ツールです。 また、資金繰り表は年度損益計画と一体をなすものであり、年度損益計画がより具体化されたものです。当然のことながら、利益は予定されているが現金は残らず、借入金が理由もなく増加するということにはなりません。 資金繰り表は一般的には、３〜６カ月間のものが作成されますが、年度利益計画では、１年間のものを作成し、年間ベースでの資金の動きを大まかに捉えます。金融機関からの資金調達が必要な病医院にとっては、金融機関に年間ベースでの借り入れ・返済の予定を出しておくことは、調達リスクの軽減にもつながります。 【資金繰り表例】
（１）支払集中日を単位として作る
（２）月次資金繰り表を作る
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