年度利益計画を上手に実行していくためには、「計画の実行状況をチェックし、フォローしていく」ことが非常に重要になってきます。

（１）経営会議を開催する
全社的な経営内容を、特に「年度利益計画」の進捗状況に関しては、「月次の経営会議」を開催して計画と実績の分析、検討をおこないます。
経営会議に参加するのは、理事長（院長）、幹部、部門責任者、経理責任者等であり、この時に「計画が遅れている」または「目標未達成」等の場合には、その対策を立てて翌月以降に反映させなくてはなりません。

（２）経営会議は毎月初旬におこなう
経営会議は、毎月初旬におこなうようにします。そしてそのために、月次実績の作成を少なくとも５日位までには終えておかなければなりません。また、その会議の際に使用するその他の実績報告書も準備しておきます。

（３）事業環境の突発的な変化にも経営会議で対応する
年度利益計画を実行していく中で、事業環境が突発的に変化し、その要因により計画していた事柄の実行が不可能になってしまう場合があります。このような際にも、経営会議において速やかに代替案を考案し、経営目標を達成することができるように対策を立てなくてはなりません。

【経営会議における注意点】
● 経営会議のスケジュールを明確に定め、会議は計画的に進める
● 計画と実績の差異分析と計画の進捗確認は会議開催の前には済ませておく
● 実績報告書等は、事前に参加者に配布しておき、その概要を理解させておく
● 決定事項を実行に移すための仕組みやルールを明確にしておく
● 意思決定のプロセスを明確にしておくため、議事録を作成し、これを保存しておく
（１）計画実施プロセスを管理する
年度利益計画に掲げた目標を達成するためには、実行計画の目測どおりに業務を進めることができたのか、その計画実施プロセスを管理することが肝要になります。そのためには、「個別の実行計画と結果をチェックし、フォローする体制を整える」必要があります。そしてそれを目的として開催されなければならないのが、「部門別の月次進捗会議」になります。

（２）部門別月次進捗会議を開く
「部門別月次進捗会議」は経営会議の後に開催され、そこに参加するのは部門の管理者層です。ただし層を広げ、一般職員まで参加させることもあります。

（３）部門別月次進捗会議のテーマ
「部門別月次進捗会議」の主なテーマは、下記のようなものになります。
●部門目標の達成状況
●部門の重点課題取り組みへの進捗状況
●次月への対策
●経営会議にて決まった事柄の部門別の具体的対策への落とし込み

（４）課、係ごとの月次進捗会議
部門の規模が大きい場合は、課、または係ごとの月次進捗尾会議がおこなわれるケースもあります。そして、その際のテーマとしては、「職場単位の目標」や「実行課題に対する実績と進捗状況」が主なものとして挙げられるでしょう。

（５）月次対策における上司の役割
部門や職場単位で立てた月次対策の内容は、一般職員の遂行業務に直接反映されることとなるため、上司はその計画に関して適切かつ的確なアドバイスを提供し、これをフォローしていく役割を負います。

【経営会議から職場単位でのミーティングまでの関連】

月次展開した利益計画は現場サイドに近い計画であり、個別の行動計画と並んで計画の進捗をコントロールするものです。
そのためには、計画値とともに計画に実施にあわせて月次の実績値を明確にし、計画値と実績値の差異分析をおこなう必要があります。
そして計画通りに利益が獲得できないのであれば、担当部署・担当者ごとの行動計画と照らしあわせ、現場レベルの行動内容を修正する必要が出てきます。

【差異分析記入シート例】

上記のように、年度利益計画とは「策定から行動、そして修正までを含めた病医院努力の一連の流れ」を意味するのです。