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具体的な活動に着手する前に、潜在的に損失を与えるリスクの洗い出しを行います。リスクマネジメントを効果的に進めるためには、これら潜在リスクの存在を把握し、適切な対応策を準備する必要があります。
医療機関では、心身の健康に不安を抱えている方が来院されるため、院内施設や設備にもリスクが潜んでいます。また、多くの部門が連携して業務を行っているため、各部署で異なる目に見えないリスクが存在していることになります。 潜在リスクを洗い出す際のチェックポイントは、次のとおりです。 ■潜在リスク抽出のチェックポイント （１）施設・医療機器
��玄関、待合室・ロビー、廊下、診察室 ⇒ 段差の有無、車椅子移動可能な幅
（２）医療提供のプロセス
患者移動の動線、障害物 ��トイレ・浴室、病室、階段 ⇒ バリアフリー構造、手すり ��医療機器・材料 ⇒ 定期的な保守点検の実施、使用マニュアル整備、設置環境
部署別の業務 ⇒ 意思伝達方法、マニュアルと実際手順の適合・遵守
（３）他院事例・クレーム事例の検討
技術的習熟度、情報管理体制、薬剤類の保管・識別 確認手順の実効性 等
他の病医院の医療事故公表事例、医療訴訟判例、院内クレーム事例
（１）レポート分析の方法⇒ 正確かつ詳細な情報を収集し、自院で類似事例が発生した場合の シミュレーションを実施 院内で起こったインシデントあるいはアクシデント事例について、職員がその概要を報告書（レポート）に記載して提出するという制度は、医療機関に多く採用されています。しかし実際に、収集されたレポートを改善活動に活かすためには、いくつかのポイントがあります。これらを加味して、インシデント・アクシデントレポート提出のルールを策定しましょう。 尚、下記の「委員会」は「リスクマネジメント委員会」を意味しています。 ■インシデント・アクシデント報告・分析フロー例
��体験または発見した職員が、翌日までに所属部署の責任者に報告する
インシデントおよびアクシデントレポートについては、作成し提出する職員の心理的な、また時間的な負担を軽減するために、それぞれ書式を簡便化することも重要です。
��所属部署責任者は、提出されたレポートを所定の期日ごとに委員会に報告する ��レポートを提出した者に対し、その事実（インシデントおよびアクシデントを発生させたこと、報告書を提出したということ）のみで不利益処分を行わない（提出手順もしくは基準、所定用紙等に明示） ��提出されたレポートは委員会において、下記事項につき検討する １）エラー要因の把握 ２）リスクの重大性の評価・分析 ３）システム改善の必要性の評価 （２）クレーム情報 院内に意見箱などを設置したり、受付で相談窓口を兼務していたりする場合もあるようですが、これらに寄せられる意見や苦情は、潜在するリスクの一端を示しているものです。 表面化したクレームの根本的要因を検証することによって、被害を未然に防ぐこともできます。インシデントレポートと同様に、重要な情報源だということを意識しましょう。 ■インシデントレポートの書式例   |