法律では、１日、１週間の労働時間には限度を定めています。１日８時間、１週間40時間を超えて職員に残業を命じるためには、次の４つの要件を満たすことが必要です。

��労働協約、就業規則、労働契約のいずれかにその規定があること
��過半数労働組合（ない場合は職員代表）との書面による「時間外労働・休日労働に関する協定届」（36協定）を締結し、労基署長へ届でること
��36協定の内容は、厚生労働大臣が定める労働時間の延長の限度に関する基準以内とすること
��坑内労働その他有害業務については、１日２時間を時間外労働の限度とすること


職員に残業を命じるためには、就業規則に「残業を命じる」という規定と、どれくらい残業させるのか、という36協定を労基署に届けることが必要です。
協定時間を仮に１ヶ月45時間、１年360時間とした場合は、この両方を満たすことが必要です。そのため、実務的には、１ヶ月30時間程度の残業しかできないことになります。どうしても特定の月だけは１ヶ月45時間を超える場合は、36協定に特別条項を記載すれば年６回を限度に可能となります。特別条項には

��特別の事情
��特別に延長する場合の手続き
��特別延長の時間

について定めることが必要です。

【時間外労働の限度時間】
（単位：時間）
原則
１年単位の変形労働時間制適用の事業場
１週間
15
14
２週間
27
25
４週間
43
40
１ヶ月
45
42
２ヶ月
81
75
３ヶ月
120
110
１年
360
320


36協定は書面により行うことが必要で、協定事項は次の通りです。

��時間外又は休日の労働をさせる必要のある具体的事由
��業務の種類
��労働者の数
��１日及び１日を超える一定の期間についての延長することができる時間又は労働させることができる休日
��協定の有効期間の定め（労働協約による場合を除く）

１日を超える一定の期間は、１日を超え３箇月以内の期間及び１年間としなければなりません。つまり、36協定で延長することができる時間（延長時間）を定める場合、少なくとも、１日の延長時間、１日を超え３箇月以内の期間の延長時間、１年の延長時間を定めなければなりません。