当社の給与締め日と支払い日の関係は、当月20日締め（前月21日から当月20日まで）の25日払いとなっていますが、残業代については当月締め切りに間に合わないので翌月25日にずらして支払っています。

勤務実績に応じて発生する残業代については事務処理上給与の締め日に間に合いません。職員にしてみれば、たくさん働いた月にはそれに見合った給与をその月にもらいたいと思っているはずですが、事務処理上、このケースのような事が往々にして発生します。病医院としては、給与の毎月払いの原則に違反するかどうかも気になる点です。

給与は毎月１回以上支払わなくてはなりませんが、これは必ずしも当月働いた分を当月に支払うことを意味しているのではないのです。給与支払いの間隔があき過ぎると生活の不安をきたす点を防止しようとする趣旨です。
もちろん、締切日や支払日については就業規則や契約に定める必要はありますが、締切り期間については必ずしも月の初日から起算して月の末日に締め切る必要はありません。また、支払期限についても、必ずしも、ある月の労働に対する給与をその月中に支払うことが求められているわけではありません。不当に長い期間でない限り、締め切り後ある程度の期間を経てから支払う定めをすることも、通説では肯定されています。
問題となった１カ月ずらして支払うケースは、不当に長い期間とはいえず、生活不安に陥れるわけでもないので、合理的な期間と考えられます。

残業代は概算で支払う方法もありますが、１カ月ずらして正確に計算して支払う方が問題を起こさないでしょう。