希望退職は、

�� 退職するかどうかの判断を職員自身に委ねる（病医院として、退職を強要したり、一方的に解雇したりするものではない）
��
 対象者について年齢や勤続年数などの面で一定の条件を付けるケースが多い（例えば、「45歳以上の者」という年齢条件を付ける）
�� 退職者に対して、退職金支給の面で優遇措置を講じる

などの点で、いわゆる「早期退職優遇制度」（選択定年制度、ライフプラン支援制度などと呼んでいる病医院もある）と似ています。

しかし、早期退職優遇制度と大きく異なる点もあります。それは、早期退職優遇制度が中高年のライフプラン（生活設計）を支援するという目的もあり、恒常的な制度として一年を通じて実施されているのに対し、希望退職は、経営不振への対応策として期間を限って臨時的・集中的に行われるという点です。希望退職が１つの制度として恒常的、通年的に行われることはありません。

また、早期退職優遇制度の場合には、普通は、あらかじめ利用人員を決めることはしません。申請者が多いからといって利用を制限することもなければ、少ないからといって大々的に利用キャンペーンを展開することもありません。早期退職優遇制度は本来的にそのような性格のものです。

これに対して、希望退職は、生産・販売や受注の実態と見通しを踏まえたうえで過剰雇用を算定し、募集人員を決めて行われます。募集人員を明示することなく、希望退職が行われることはありません。募集期間中に応募者が病医院側の予定人員、募集人員に達しなかったときは、引き続き二次募集、三次募集をしたり、あるいは整理解雇を行うなどして、過剰雇用を解消します。この点も、希望退職と早期退職優遇制度との大きな相違点です。

希望退職と早期退職優遇制度との類似点および相違点は次のようになります。

【希望退職と早期退職優遇制度】
類　似　点
相　違　点
�� 退職するかどうかの判断を職員本人に委ねる
�� 対象者について年齢や勤続年数などの面で一定の条件を付けるケースが多い
�� 退職者に対して、退職金支給の面で優遇措置を講じる
�� 希望退職は過剰雇用を早期に解消するため、期間を限って臨時的、集中的に実施されるが、早期退職優遇制度は恒常的な制度として通年運用される
�� 希望退職は目標人員を明示して実施されるが、早期退職優遇制度は目標人員を決めないで行われる
�� 希望退職は過剰雇用の解消が目的。早期退職優遇制度は中高年の生活設計の支援が主たる目的