職員の退職金は中小企業しか加入できない「中小企業退職共済」に加入すれば、毎月の掛け金の全額を費用とすることができ節税になります。
これは、独立行政法人「勤労者退職金共済機構」」「中小企業退職金共済事業本部」が運営する共済制度で、会社は役員を除く全職員を加入させることができます。従業員が退職するときには、ここから退職金が支払われます。

【中小企業退職共済加入の注意点】
�� 職員退職時の退職金は、原則的に退職者本人へ支給される。
　 　
�� 退職共済の退職金は、加入保険料と加入期間により決まるため、退職規定の金額との差額を別途支給する必要が生じる。
　 　
�� 役員は、この制度に加入できない。
中小企業退職金共済制度(中退共制度)は、昭和34年に国の中小企業対策の一環として制定された「中小企業退職金共済法」に基づき設けられた制度です。この制度の運営は、中小企業退職金共済法に基づき設立された独立行政法人勤労者退職金共済機構(機構)中小企業退職金共済事業本部(中退共)がおこなっています。

（１）制度の仕組み
中退共制度は、法律で定められた社外積み立て型の退職金制度です。
�� 事業主が機構・中退共と退職金共済契約を結びます。
�� 毎月の掛金を金融機関に納付します。掛金は全額事業主負担です。
�� 職員が退職したときは、その職員の請求に基づいて機構、中退共から退職金が直接支払われます。


（２）加入条件
加入条件は業種により異なります。加入できる企業中退共制度に加入できるのは、次の企業です。ただし、個人企業や公益法人の場合は、常用職員数によります。

一般業種（製造・建設業等） 　 卸売業
常用職員数　300人以下
または
資本金・出資金　３億円以下
　
常用職員数　100人以下
または
資本金・出資金　１億円以下
　 　 　
サービス業 　 小売業
常用職員数　100人以下
または
資本金・出資金　５千万円以下
　
常用職員数　50人以下
または
資本金・出資金　５千万円以下

常用職員とは、１週間の所定労働時間が同じ会社に雇用される通常の従業員とおおむね同等である者であって、次に該当する職員です。
　　��雇用期間の定めのない職員
　　��雇用期間が２ヶ月を超えて雇用される職員も含まれます。

（３）加入対象となる職員
職員は原則として全員加入させてください。ただし、定年などで短期間内に退職することが明らかな職員や、期間を定めて雇われている職員等は加入させなくてもよいことになっています。