病医院の資金繰り改善対策 -　医療・福祉経営改善ナビ

通常の病院経営では、窓口（入院）未収入金、自由診療収入、労災、自賠責収入などは現金化までに一定の期間を要します。
せっかく医療行為をしたのに資金の回収ができず、医業未収入金が増加すると運転資金も増加して資金が不足します。医業未収入金の管理は、病医院内ルールを決めて滞留させないようにすることがポイントになります。

（１）医業未収入金の残高管理
医療機関の大半を占める保険未収入金は２カ後には必ず現金化します。しかし　窓口（入院）未収入金、自由診療収入、労災、自賠責収入などは現金化までに一定の期間を要することから患者別に未収入金の残高管理を行い異常がないか確認してみることです。

（２）正常債権の管理
正常債権は期日までに回収になるケースがほとんどですが、請求漏れ、回収遅れが発生することがあります。このような回収遅延をなくすために事務担当者、経理部門との回収基準の徹底、事務連携をしっかり行っておく必要があります。もしも、回収遅延が発生した場合は速やかに患者に連絡をして早期回収を図ることが必要です。

（３）異常な売上債権の発生原因分析とチェック体制の強化

　①

患者側の問題

●患者側の状態
　イ）窓口負担金の支払困難
　ロ）請求がないから放置

●対処法・・・要注意債権として管理する
　イ）できるだけ短い期間での分割回収を折衝する
　ロ）保証人を付けるなどの保全措置をとる
　ハ）万一、失踪、自己破産の場合は貸倒損失を計上する

　②

病医院側の問題

●病医院の問題
　イ）診療行為に伴うクレーム
　ロ）請求漏れ

●対処法・・・チェック体制、不正防止の観点で対処する
　イ）未収入金回収の病医院内ルールの作成
　ロ）不正行為に対する罰則設定

（４）請求から回収まで営業、経理部門が連携して管理

●回収責任の明確化
●請求管理・回収管理

①	請求管理・回収管理
	請求行為は債権回収の第一歩です。しかし、ここでつまずいている病医院も多くあります。売掛金の締日を迎えたら、遅滞なく漏れなく請求書を作成・発送しなければいけません。得意先によって締日が異なる（10日あるいは25日締など）場合もあるので、チェックリストを用意し、請求管理するのが無難です。

	一方、回収管理の基本は、未収入金の消し込み（入金の引き当て）にあります。日々の入金を未収入金の回収予定と照らし合わせ、回収遅延が生じていないか把握することです。