（１）たな卸資産の適正在庫管理とは
たな卸資産は、多くても少なくても問題となります。多い場合は、購入した資金が寝てしまうためキャッシュフローが悪化しますし、医薬品、医療材料が使用期限切れになった場合は不良在庫になります。逆に在庫が少ないと、診療行為に支障を来たしてしまいます。適正に在庫管理を行うこととは、�〆澹砲�どれだけ増えて、減って、現在いくつあるのかを把握する在庫業務、��多すぎず、足りなくならないよう適正な在庫を管理する在庫管理業務、��より効率的な在庫量を常に検討する適正在庫分析業務の３点が重要となります。
この３点が機能して、初めて適正な在庫管理が実施されます。

（２）適正在庫分析のポイント
一般的な適正在庫の決め方は下記の手順に基づき決めていきます。

　 【ステップ１】　使用料の見込みを決定する
　 適正在庫を決める前に、これを判断する基準が必要となります。そこで過去の使用料（需要）を基準として、これを「全医薬品、診療材料」と「個別の医薬品、診療材料」の単位で作成します。
　 　
　 【ステップ２】　医薬品、診療材料の平均的在庫量を算出する
　 設定された「使用基準」を実現するために、「どれだけの在庫量」を確保すべきか算出します。
この平均在庫量は、次のように計算されます。
　
��「目標在庫回転数」を出す
��適正在庫量の目標となる「医薬品、診療材料平均在庫高」を出す
��販売予測／仕入関連コストなどを考慮しながら、金額を調整して、「目標平均在庫高」を出す
　 　
　 【ステップ３】　月初の在庫量を算出する
　 「目標平均在庫高」をもとに、「月別（月初め）の在庫高」を算出します。
また、予測にインフルエンザなど季節変動数要因などを加味して月ごとに計算します。
　 　
　 【ステップ４】月別の仕入予定金額を算出する
　 適正な在庫量を維持するためには、それに見合った仕入量を確保する必要があります。
そのために、「月別の仕入予定量」を出します。
　 　

（３）適正在庫分析に課題抽出
適正在庫分析により、
●過剰在庫により、資金繰りを圧迫している
●不良在庫が発生している
等の課題がないか、定期的に分析を行うことがポイントとなります。
また、キャッシュフローの観点から下記の課題も抽出されることもあります。

��在庫の資産計上により、見せかけの利益が計上される
��在庫の資産計上により、生産費用も資産計上される