社会医療法人認定の要件の基盤となるのは、救急医療等確保事業を行い、かつ医療計画に記載されていることです。具体的には、下記のとおりです。

社会医療法人が開設する病院又は診療所のうち、１以上（２以上の都道府県の区域において病院又は診療所を開設する医療法人にあっては、それぞれの都道府県で１以上）のものが、当該医療法人が開設する病院又は診療所の所在地の都道府県が作成する医療計画に記載された法第30条の４第２項第５号イからホ（※）までに掲げるいずれかの事業（以下「救急医療等確保事業」という。）に係る業務を当該病院又は診療所の所在地の都道府県において行っていること。
※第30条の４
都道府県は、基本方針に即して、かつ、地域の実情に応じて、当該都道府県における医療提供体制の確保を図るための計画（以下「医療計画」という。）を定めるものとする。
２　医療計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
　　　　　　−中略−
５．次に掲げる医療の確保に必要な事業（以下「救急医療等確保事業」という。）に関する事項（ハに掲げる医療については、その確保が必要な場合に限る。）
　イ　救急医療
　ロ　災害時における医療
　ハ　へき地の医療
　ニ　周産期医療
　ホ　小児医療（小児救急医療を含む。）

出典：厚生労働省医政局通知（政発第0331008号平成20年3月31日）より

また、救急医療等確保事業に係る業務の基準は救急医療等確保事業と連動し、�ゝ澣洵△悗�地��災害�ぜ�産期�ゾ�児の５事業に分かれ、それぞれ構造設備、業務体制、業務実績に分かれています。 （１）構造設備
診察室、処置室、専用病室及びエックス線診療室その他の救急医療を行うために必要な施設及び設備を有すること。

（２）業務体制
当該病院が次のいずれにも該当すること。
● その所在地の都道府県が作成する医療計画において救急医療の確保に関する事業に係る医療連携体制を構成するものとして記載されていること。
● 救急患者に対し医療を提供する体制を常に確保すること。

（３）業務実績
当該病院が次のいずれかに該当すること。
● 当該会計年度前３会計年度における初診料が算定された件数に占める診療時間以外の時間、休日又は深夜（以下「時間外等」という）において初診を行った場合の加算が算定された件数の割合（（1）２ ��イにおいて「時間外等加算割合」という）が100分の20以上であること。
● 当該会計年度前３会計年度における夜間（午後６時から翌日の午前８時までをいうものとし、休日を除く）若しくは休日に救急自動車及びこれに準ずる車両による搬送を受け入れた件数を３で除した数（（２）��イにおいて「夜間等救急自動車等搬送件数」という）が750以上であること。

（４）別掲：精神科救急医療
● 構造設備
診察室及び処置室その他の精神科救急医療を行うために必要な施設及び設備を有すること。
 
● 業務体制
その所在地の都道府県が作成する医療計画において精神科救急医療の確保に関する事業に係る医療連携体制を構成するものとして記載されており、かつ、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律施行規則（昭和25年厚生省令第31号）第５条の２第１号から第３号までに掲げる基準を満たすこと。
 
● 業務実績
当該会計年度前３会計年度において精神疾患に係る時間外等に診療した件数（電話等による再診の件数を除く）が、その所在地が属する精神科救急医療圏（都道府県が精神科救急医療の整備を図るべき地域的単位として設定した区域をいう）内の人口を１万で除した数に７・５を乗じて得た数（その数に小数点以下１位未満の端数があるときは、これを四捨五入する）以上であること。
（１）構造設備
次のいずれにも該当すること。
● 集中治療室及び備蓄倉庫、簡易ベッド及び携帯用医療機器並びに食料、飲料水及び医薬品その他災害時における医療を行うために必要な施設（診療を行う施設にあっては、耐震構造を有するものとする。）、設備及び物資を有すること。
● 災害時において当該病院の近接地にヘリコプターの離発着が可能な敷地を確保すること。
● 厚生労働省に登録された災害派遣医療チームを有すること。

（２）業務体制
次のいずれにも該当すること。
● その所在地の都道府県が作成する医療計画において災害時における医療の確保に関する事業に係る医療連携体制を構成するものとして記載されていること。
● 救急患者に対し医療を提供する体制を常に確保すること。

（３）業務実績
次のいずれにも該当すること。
● 時間外等加算割合が100分の16以上又は夜間等救急自動車等搬送件数が600以上であること。
● 当該会計年度の前会計年度において都道府県が行う防災訓練又はこれに準ずるものに参加していること。
● 都道府県又は国からの災害派遣医療チームの派遣の要請があった場合に、これに応じたこと。ただし、要請に応じなかったことについて、やむを得ない理由があると認められるときは、この限りでない。
（１）構造設備
次のいずれかに該当すること。
● その所在地の都道府県内のへき地に医師を派遣し、又は巡回診療を行う病院（以下「へき地病院」という）にあっては、へき地からの入院患者の受入れのための病室その他のへき地の医療に必要な施設及び設備を有すること。
● へき地の診療所（以下「へき地診療所」という）にあっては、診察室、処置室及び医師住宅その他のへき地の医療に必要な施設及び設備を有すること。

（２）業務体制
当該病院又は診療所がその所在地の都道府県が作成する医療計画においてへき地の医療の確保に関する事業に係る医療連携体制を構成するものとして記載されていること。へき地診療所を開設する医療法人が当該へき地診療所の所在地の都道府県において病院を開設する場合にあっては、当該病院において、へき地からの入院患者の受入れのための病室その他の必要な施設及び設備を有し、かつ、へき地からの入院患者を受け入れる体制を常に確保すること。

（３）業務実績
当該病院又は診療所が次のいずれかに該当すること。
● へき地病院にあっては、当該会計年度の前会計年度において、へき地に対する医師の延べ派遣日数が53日以上であること又はへき地における巡回診療の延べ診療日数が53日以上であること。
● へき地診療所にあっては、当該会計年度の前会計年度において、診療日が２０９日以上であること。
（１）構造設備
母体胎児集中治療管理室及び分娩監視装置その他の産科医療に必要な施設及び設備並びに新生児集中治療管理室及び新生児用呼吸循環監視装置その他の新生児に係る医療に必要な施設及び設備を有すること。

（２）業務体制
当該病院について次のいずれにも該当すること。
● 当該病院がその所在地の都道府県が作成する医療計画において周産期医療の確保に関する事業に係る医療連携体制を構成するものとして記載されていること。
● 当該病院において産科に係る救急患者に対し医療を提供する体制（緊急帝王切開術を実施する体制を含む）を常に確保すること。

（３）業務実績
当該病院について次のいずれにも該当すること。
● 当該会計年度前３会計年度における分娩実施件数を３で除した数が500以上であること。
● 当該会計年度前３会計年度における母体搬送受入件数を３で除した数が10以上であること。
● 当該会計年度前３会計年度におけるハイリスク分娩管理加算が算定された件数が３以上であること。
（１）構造設備
診察室、処置室及び小児専用病室その他小児救急医療に必要な施設及び設備を有すること。

（２）業務体制
当該病院について次のいずれにも該当すること。
● その所在地の都道府県が作成する医療計画において小児救急医療の確保に関する事業に係る医療連携体制を構成するものとして記載されていること。
● 小児の救急患者に対し医療を提供する体制を常に確保すること。

２以上の都道府県に病院又は診療所を開設している場合
〜　厚生労働省医政局通知（政発第0331008号）より
それぞれの都道府県で１以上行っていれば良いとされています。

当該医療法人が開設する病院又は診療所（当該医療法人が地方自治法（昭和２２年法律第67号）第244条の２第３項に規定する指定管理者として管理する公の施設である病院又は診療所を含む。以下同じ。）のうち、１以上（２以上の都道府県の区域において病院又は診療所を開設する医療法人にあっては、それぞれの都道府県で１以上）のものが、当該医療法人が開設する病院又は診療所の所在地の都道府県が作成する医療計画に記載された法第30条の４第２項第５号イからホまでに掲げるいずれかの事業（以下「救急医療等確保事業」という。）に係る業務を当該病院又は診療所の所在地の都道府県において行っていること。