（１）同族の排除
他の同一の団体（公益社団法人又は公益財団法人その他これに準ずるもの（以下「公益法人等」という。）を除く。）の理事又は使用人である者その他これに準ずる相互に密接な関係にある者である理事の合計数が理事の総数の３分の１を超えないものであること。監事についても、同様とすること。

（２）同族排除に関する考え方
公的な要件に関する補足説明〜厚生労働省医政局通知（政発第0331008号）より
各役員及び次に掲げる親族等の数が、役員の総数の３分の１を超えて含まれることがないこと。
�� 各役員の配偶者及び三親等以内の親族
�� 各役員と婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者
�� 各役員の使用人及び使用人以外の者で当該役員から受ける金銭その他の財産によって生計を維持しているもの
�� �∨瑤廊�に掲げる者の親族でこれらの者と生計を一にしているもの

（３）役員数と役員報酬
�� 役員数
理事の定数は６人以上とし、監事の定数は２人以上とすること。
�� 役員の選任
社団である医療法人の理事及び監事は社員総会において、財団である医療法人の理事及び監事は評議員会において選任すること。また、評議員は、理事会において推薦した者につき、理事長が委嘱すること。
�� 役員報酬
その理事、監事及び評議員に対する報酬等について、民間事業者の役員の報酬等及び従業員の給与、当該医療法人の経理の状況その他の事情を考慮して、不当に高額なものとならないような支給の基準を定めているものであること。

（４）役員に関する考え方
公的な要件に関する補足説明〜厚生労働省医政局通知（政発第0331008号）より
理事等に対する報酬等の支給の基準においては、理事等の勤務形態に応じた報酬等の区分及びその額の算定方法並びに支給の方法及び形態に関する事項を定めるものとすること。また、理事等に対する報酬等の支給の基準は、法第５１条の２第２項の規定に基づき備置き及び閲覧等の措置が講じられているものでなければならないこと。
（１）特別の経済的利益
その事業を行うに当たり、社員、評議員、理事、監事、使用人その他の当該医療法人の関係者に対し特別の利益を与えないものであること。
その事業を行うに当たり、株式会社その他の営利事業を営む者又は特定の個人若しくは団体の利益を図る活動を行う者に対し、寄附その他の特別の利益を与える行為を行わないものであること。ただし、公益法人等に対し、当該公益法人等が行う公益目的の事業のために寄附その他の特別の利益を与える行為を行う場合は、この限りでない。

（２）特別の経済的利益の考え方
● 当該医療法人の関係者とは、次に掲げる者とする。
イ） 当該医療法人の理事、監事又は使用人
ロ） 当該医療法人が社団である場合にあっては、その社員
ハ） 当該医療法人が財団である場合にあっては、その設立者又は評議員
ニ） イからハまでに掲げる者の配偶者及び三親等以内の親族
ホ） イからハまでに掲げる者と婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者
ヘ） イからハまでに掲げる者から受ける金銭その他の財産によって生計を維持しているもの
ト） ホ）又はヘ）に掲げる者の親族でこれらの者と生計を一にしているもの。
 
● 特定の個人又は団体の利益を図る活動を行う者とは、次に掲げる者とする。
イ） 株式会社その他の営利事業を営む者に対して寄附その他の特別の利益を与える活動（公益法人等に対して当該公益法人等が行う公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律第２条第４号に規定する公益目的事業又は医学若しくは医術又は公衆衛生に関する事業のために寄附その他の特別の利益を与えるものを除く。）を行う個人又は団体
ロ） 特定の者から継続的に若しくは反復して資産の譲渡、貸付け若しくは役務の提供を受ける者又は特定の者の行う会員等相互の支援、交流、連絡その他その対象が会員等である活動に参加する者に共通する利益を図る活動を行うことを主たる目的とする団体
（１）遊休財産
毎会計年度の末日における遊休財産額は、当該会計年度に行った病院、診療所又は介護老人保健施設の業務（以下「本来業務」という。）と同一の内容及び規模の業務を翌会計年度においても引き続き行うために必要な額として直近に終了した会計年度の損益計算書に計上する事業費の額を超えてはならないこと。

（２）遊休財産の考え方
公的な要件に関する補足説明〜厚生労働省医政局通知（政発第０３３１００８号）より
（直近に終了した会計年度の貸借対照表に計上する資産総額）
−「一定の資産（※）のうち保有資産明細表に記載されたものの帳簿価額の合計額」）
×「純資産の額の資産の総額に対する割合」
※ 一定の資産に含まれるもの
イ） 本来業務の用に供する財産
ロ） 附帯業務の用に供する財産
ハ） 収益業務の用に供する財産
ニ） イ）からハ）に掲げる業務を行うために保有する財産
ホ） イ）からホ)に掲げる業務実施のための財産取得または、改良に充てるための保有資金
ヘ） 将来の特定の事業（定款または寄附行為で定めた事業のみ）の実施において特別な支出に充当するための保有資金

【例１】
貸借対照表の資産の部が、1,500,000千円
上記一定の資産の額が、1,000,000千円（つまり、遊休資産が500,000千円）
純資産の額の資産の総額に対する割合が30％

1,500,000千円−1,000,000千円×30％＝150,000千円
⇒　150,000千円が損益計算書の事業費（※）を超えなければよい
※事業費＝その会計年度に行った本来業務（病院・診療所・老健）と同一の内容規模の業務を翌会計年度も引き続き行うために必要な額

【例２】
医業収入が1,500,000千円
医業利益が100,000千円　　⇒　1,400,000千円の事業費
∴　150,000千円の遊休財産額は問題とならない
（１）株式保有
他の団体の意思決定に関与することができる株式その他の財産を保有していないものであること。ただし、当該財産の保有によって他の団体の事業活動を実質的に支配するおそれがない場合は、この限りでない。

（２）株式保有に関する考え方
公的な要件に関する補足説明〜厚生労働省医政局通知（政発第0331008号）より
株式その他の財産とは以下の財産をいう。
イ） 株式
ロ） 特別の法律により設立された法人の発行する出資に基づく権利
ハ） 合名会社、合資会社、合同会社その他の社団法人の社員権
ニ） 民法第667条第１項に規定する組合契約、投資事業有限責任組合契約に関する法律（平成10年法律第90号）第３条第１項に規定する投資事業有限責任組合契約又は有限責任事業組合契約に関する法律（平成17年法律第40号）第３条第１項に規定する有限責任事業組合契約に基づく権利
ホ） 信託契約に基づく委託者又は受益者としての権利
ヘ） 外国の法令に基づく財産であって、イからホまでに掲げる財産に類するもの
（１）法令違反
法令に違反する事実、その帳簿書類に取引の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装して記録又は記載をしている事実その他公益に反する事実がないこと。

（２）法令違反に関する考え方
公的な要件に関する補足説明〜厚生労働省医政局通知（政発第0331008号）より
医療に関する法令の場合には次に掲げるいずれかの事実がある場合をいうものとする。
イ） 医療に関する法律に基づき医療法人又はその理事長が罰金刑以上の刑事処分を受けた場合
ロ） 医療法人の開設する医療機関に対する医療監視の結果、重大な不適合事項があり、都道府県知事から改善勧告が行われたが是正されない場合
ハ） 法第30条の11の規定に基づく都道府県知事の勧告に反する病院の開設、増床又は病床種別の変更が行われた場合
ニ） 医療法人の業務若しくは会計が法令、法令に基づく都道府県知事の処分、定款若しくは寄附行為に違反し、又はその運営が著しく適正を欠くと認められた場合であって、法第64条第１項の必要な措置をとるべき旨の命令若しくは同条第２項の業務の全部若しくは一部の停止の命令又は役員の解任の勧告が発せられた場合
ホ） その他イ）からニ）までに相当する医療関係法令についての重大な違反事実があった場合