（1）調査スケジュール
国税局訪問調査は、2日間にわたり2名体制で行われます。ポイントとなるのは、役員および特殊関係者への特別な経済的利益の有無です。

●実施日　平成20年10月21日〜22日
●調査官　○○国税局　審査企画係長　1名、国税実査官　1名

●タイムスケジュール
第1日目　10:00〜12:00　13:00〜16:00
第2日目　10:00〜12:00　13:00〜16:00

（1）具体的調査概要
国税局訪問調査は、下記のような流れにより2日間にわたって実施されます。

【1日目】
10:00〜10:40　 概況確認（申請理由・診療特性・法人の歴史等）
10:40〜11:00 理事長との面談（申請理由・確認書の説明）
11:00〜12:00 調査開始
●特定医療法人の申請に関する社員総会議事録・放棄同意書
●過去の議事録関係（3年分）社員総会・理事会等
●給与台帳（マイカー通勤規定）
●総勘定元帳（一部）
13:00〜16:00 調査継続
● 総勘定元帳　本格的チェック
● 給与関係チェック（源泉徴収簿、医師・看護師シフト表、出勤簿）
● 契約書関係チェック
（医療器械・備品購入契約、外注委託契約、保守契約、リース契約）
● 役員の就任、辞任の推移（議事録、就任・辞任届け、退職金算定根拠）

【2日目】
10:00〜12:00　 元帳をもとに調査
●旅費交通費
（旅費精算書等、海外出張の規程、実績、タクシーチケット）
●請求書、領収書3ヵ年及び経過月分
13:00〜16:00 調査継続
●総勘定元帳　継続チェック
●車輌費関係チェック
（車の所有、ガソリンスタンド請求書、領収書）
●保険証券チェック（保険証券、保険料の処理関係）
●修繕費の確認
●ＭＳ法人の取引チェック
16:00〜16:30 結果概要説明

（1）国税局調査項目
下記の項目について重点的に調査が行われます。また、調査初日には理事長との面談が実施され、特定医療法人の申請理由、経営方針について確認されます。

【確認書より抜粋】
● その運営組織が適正であるとともに、その理事、監事、評議員その他これらの者に準ずるもの（以下役員という）のうち親族関係を有する者及びこれらと特殊の関係がある者の数がそれぞれの役員等の数のうちに占める割合が、いずれも3分の1以下であるか
● その設立者、役員等若しくは社員又はこれらの者の親族等に対し施設の利用、金銭の貸付け、資産の譲渡、給与の支給、役員等の選任その他財産の運用及び事業の運営に関して特別の利益がないこと
● 法令に違反する事実、その帳簿書類に取引の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装して記録又は記載をしている事実その他公益に反する事実がないこと。

（2）調査期間
税務調査と異なり、申請年度の経過月まで確認されます。

過去3年間及び経過期間

【例】3月決算21年9月申請の場合
●19年3月決算
●20年3月決算
●21年3月決算
●21年4月から9月まで

（3）調査する帳票等
調査する帳票は、税務署の税務調査と同様です。ただし、特別の経済的利益の有無を重点的に調査することから、過去の議事録や契約書等も確認されます。

●組織図
●総勘定元帳
●役員報酬改定等社員総会・理事会議事録
●不動産に関する契約書関係
●医療器械の購入に関する契約書関係
●リースやメンテナンスに関する契約書関係
●給与台帳
●職員名簿
●出勤簿
●タクシーチケット
●ガソリンチケット
●保険証券