バランスシートの圧縮は、収益に貢献しない財産を圧縮し、収益を生む資産の効率を上げることを目的に行ないます。バランスシートのスリム化に向けた取組みは、財務体質の改善だけでなく、ムダを削減し業務管理意識を向上させ、企業風土を良好にするという好循環を生みます。

■バランスシート圧縮の具体的手法
支払い利息の軽減
金融機関からの借入条件変更の交渉
在庫の削減
遊休資産・不良資産の処分
売掛債務の回収期間短縮の交渉
買掛債務の条件変更の交渉


■支払い利息減少のための具体的手法
金融機関からの借入金を早期返済する
金融機関からの借入条件変更(リスケジュール)

金融機関からの借入金に生じる支払利息を、遊休資産・不良資産の売却で返済に充てることができれば、資産効率を上げることになります。
また、金融機関からの借入金は、借入条件変更(リスケジュール)による金利負担の軽減を検証します。リスケジュールを行なうことで、金融機関の格付けは一定期間下がりますが、正常に返済ができるようになるまで回復できれば、新規融資を得ることも可能です。
従来金融機関にとって、リスケを行なうことは不良債権の増加とみなされ、条件変更には応じにくい仕組みでしたが、企業への貸出条件緩和のための措置として、金融庁から「中小企業向け融資の貸出条件緩和が円滑に行われるための措置」が発表され、条件変更は一般化してきました。
リスケジュールを行なうには、「経営改善計画書」を提出する必要があります。「経営改善計画書」は、金融機関の協力があれば経営状態が改善し、借入金を確実に返済することができることを裏付ける計画でなくてはなりません。

■適正在庫実現のポイント
現状の在庫を把握する
適正在庫を決定する
余剰在庫は早めの売却・返品等の方法を考える(場合によっては、原価以下でも良い)
在庫管理の仕組みを確立する
毎月正確な棚卸をする

在庫の増大は、保管場所の確保等で運転資金を費やし、本来収益を生む資金を圧迫する等、資金繰り悪化の原因となります。
在庫を適正にするには、最低限必要な在庫(適正在庫)数量を決定し、現在どれくらいの余剰在庫を抱えているのかを把握し、この余剰分をいかに早くお金に換えるかという対策を立てる必要があります。
売れる見通しがない在庫分は、仕入価格や製造価格以下になっても一気に販売してしまう勇気も必要です。在庫圧縮で減少した運転資金を、借入金の圧縮に充てるといった好循環を生むからです。常に適正在庫を維持するための「在庫管理手法」をしっかりまとめることは、立派な収益改善となります。

■資産処分の具体例
遊休施設を売却する
費用対効果の高いリースバックを検討する
ゴルフ会員権を売却する
株式の持合の解消

遊休資産は、資金を生まないばかりか維持費等がかかり、資金繰り悪化の原因となるため、処分を検討すべきです。
バブル期に購入した塩漬けとなっている土地・株式・ゴルフ会員権などは、固定資産税等の維持費がかかります。これらの遊休資産を処分して得た資金は借入金の返済に充てることができ、損金算入による節税も可能になります。


■買掛債務条件見直しのポイント
支払サイトの延長交渉
締め日を変える
締め日を意識し、必要な分だけの仕入に努める

買入債務の支払期間を延ばすことは、資金繰り改善に役立ちます。仕入先に対して、できるだけ支払を延ばすような支払条件の交渉を検討してみる必要があります。
ただし、仕入先からの信用が低くなる可能性もあるため、交渉する際には経営の現状を正しく伝え、相手に信用してもらえなければなりません。