建物を取得して事業の用に供したり、賃貸しているアパート、マンションの建築代金を「建物」だけにせず、建設会社からの見積書や請求書などで付属設備や外構設備などに区分することで、耐用年数が短縮され減価償却費が増えますから費用が多くなります。
例えば、給排水設備等は「建物付属設備」の15年、アスファルト敷駐車場は「構築物」の10年になります。
このように、新規取得した固定資産について、建物なのか建物以外のものなのかを明確に区分するため、費用明細が記載されている下記(1)のような新規建物等の見積書を用意する必要があります。

(1) 見積書サンプル
建物を取得する前段階で、業者から受領する見積書のサンプルは以下のとおりです。



(1)建物付属設備の種類
建物付属設備とは、建物に固着している設備をいいます。構築物との違いは、構築物が地面に固定されているのに対し、建物付属設備は建物に固着している点にあります。主な種類は以下の通りです。

電気設備、給排水設備、衛生設備、ガス設備、冷暖房設備
ボイラー、エスカレーター、エレベーター

(2)構築物の種類
構築物勘定とは、庭園、花壇、へい、舗装道路、路面などの土地の上に固定した設備又は工作物で建物以外のものをいいます。主な種類は以下の通りです。

広告用構築物(土地に固定した看板など)、緑化施設、庭園
舗装道路、路面、塀、煙突、焼却炉

(1)定額法と定率法の選択
減価償却方法は定額法よりも定率法のほうが固定資産の取得初期の償却額が多いので、建物を付属設備や外溝設備などに区分し、建物以外の有形固定資産について定率法を選定すれば、減価償却費は多くなり、節税効果が高いです。
注) 平成10年4月1日以後に取得した建物については、定額法のみであり、その他の方法を選択できません。

(2)資本的支出部分の償却方法の選択
平成19年3月31日以前に取得した建物等の有形固定資産について、その後、資本的支出を行った場合には、従前の方法と、その資本的支出部分を新規取得したとする方法の2通りが認められていますので、節税対策のために、どちらが有利かあらかじめ計算するべきです。
注) 平成10年4月1日以後に取得した減価償却資産については、以下のことを考慮しますと、通常は新規取得したとする方法を選択するほうが有利と考えられます。

【定額法の計算方法】
  従前の方法では、取得価額から残存価額の10%を控除して償却費を計算していましたが、平成19年4月1日以後に取得した資産については、残存価額の10%控除は廃止されました。
   
【定率法の計算方法】
  平成19年4月1日以後に取得した資産について適用する方法のほうが、従来に比べ償却率が高くなりました。

次にあげるような費用は、たとえ固定資産の取得に関連して支出するものであっても、会社の選択により、固定資産の取得価格に算入しないことができます。
租税公課等の額
  不動産取得税又は自動車取得税
特別土地補修税のうち土地の取得に対して課されるもの
新増設に係る事業所税
登録免許税その他の当期または登録のために要する費用
建物の建設等に為に行った調査、測量、設計、基礎工事等でその建設計画を変更したことにより不要となったものにかかる費用
いったん締結した固定資産の取得に関する契約を解除してほかの固定資産を取得することとした場合に出する違約金の額
固定資産を取得するために借り入れた借入金の利子で、その固定資産の使用開始前の期間に係るもの
会社が保有している固定資産の修理・補修にかかる費用は、「修繕費」となります。一方、手を加えたことによって、ふつうに使えば5年で使用できなくなるものが10年使用できるようになったり、生産能力が向上したり、工場として利用していた建物を事務所として利用したりというように、構造・利用目的を変えるような費用の支出のしかたは、「資本的支出」として処理します。つまり、固定資産の取得と考えて資産に計上することになります。実務的に「修繕費」であるか「資本的支出」であるかの判断は非常に難しく、税務調査の際にもよく問題提起される部分です。

【修繕費になる費用例】
車の塗装、ミラーやタイヤなどの部品交換や定期点検
機械の修理、部品交換、移動にかかる費用
床の張り替え、壁の塗装、屋根の修理など
塗装、ドア取っ手などの部品の交換
駐車場のアスファルトの補修、グラウンドの砂利の補充など
パソコンの部品交換、コピー機の定期点検など